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ED治療はなぜ保険適用外なの?例外の条件と費用を抑える方法を解説
「ED治療って保険は効かないの?」「なぜ自費なのか納得できない」——受診をためらう理由として、費用の不安を挙げる方は少なくありません。
結論から言うと、ED治療は原則として保険適用外(自由診療)で、費用は全額自己負担です。ただし2022年4月から、ごく限られた条件下でのみ保険が使えるようになりました。この記事では、なぜ保険が効かないのか、例外に当てはまるのはどういう人か、そして自費になる場合に費用を抑える方法までを整理します。
この記事のポイント
・ED治療が自費なのは「生活の質を改善する薬」と位置づけられているため
・EDの原因が糖尿病でも手術後でも、それだけでは保険適用にならない
・保険が使えるのは「勃起不全による男性不妊」で、7つの要件をすべて満たす場合のみ
・対象薬はバイアグラ・バイアグラODフィルム・シアリスの3つ
・自費でも、ジェネリックやオンライン診療で費用は下げられる
結論:ED治療は原則、保険適用外の自由診療
日本では、ED(勃起不全)に対する診察・検査・治療薬の処方は、原則として公的医療保険の対象外です。健康保険証を使ってED治療薬を処方してもらうことは、基本的にできません。
そのため、ED治療は自由診療として扱われます。自由診療には次の特徴があります。
| 項目 | 保険診療 | 自由診療(ED治療の大部分) |
|---|---|---|
| 費用負担 | 原則1〜3割(年齢・所得による) | 全額自己負担 |
| 料金の決まり方 | 国の定めた点数表で全国一律 | 医療機関ごとに自由に設定 |
| 診察料 | 点数表どおり | 無料のところも、数千円かかるところもある |
| 薬の選択肢 | 保険収載された薬のみ | 先発品・ジェネリックとも幅広く選べる |
なお、同じ病気に対して保険診療と自由診療を組み合わせる「混合診療」は原則として認められていません。「診察は保険で、薬だけ自費で」という形は取れない点に注意が必要です。
なぜED治療は保険適用外なのか
理由は大きく3つあります。
① 「生活の質を改善する薬」と位置づけられているため
日本の公的医療保険は、命に関わる病気や、日常生活に大きな支障が出る状態の治療を中心にカバーする仕組みとして設計されています。
ED治療薬については、1999年のバイアグラ承認時に、厚生省(当時)から「性交を可能にするために使用されるものであって、一時的に勃起力を補助するが、勃起不全を治癒するものではなく、日常生活の質を改善するための薬剤であると考えられる」との判断が示され、公的医療保険の給付対象外とされました。この位置づけが、現在まで基本的に引き継がれています。
② 保険財政への影響が大きいと考えられたため
EDに悩む男性は国内で多数にのぼると推計されています。対象疾患が直接命に関わるものではないこと、必ずしも薬を使う必要のない人が使用する例もあることから、公的保険でカバーすると財政負担が大きいという議論がありました。これも適用外とされている論拠のひとつです。
③ 海外でも公的保険の対象外とする国が多い
ED治療薬を公的保険の対象外とする扱いは、日本に限ったものではありません。欧米でも公的保険の適用外とされているケースが多く、民間保険で一部が補償される場合でも自己負担の割合は高い傾向にあります。日本は特に「生活の質の向上を目的とする治療は原則自費」という考え方が強く適用されています。
EDそのものについては、EDとは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説でも整理していますので、あわせて参考にしてください。
【注意】「原因が糖尿病や手術後なら保険が効く」は誤解
ED治療の保険適用について調べていると、「器質性ED(糖尿病や高血圧、前立腺の手術後などが原因のED)なら保険が使える」という説明を見かけることがあります。これは正確ではありません。
保険が使えるかどうかを分けるのは、EDの原因が何かではなく、その治療が「不妊治療の一環かどうか」です。
- 加齢によるEDでも、生活習慣病が背景にあるEDでも、心因性のEDでも——不妊治療を目的としていなければ、いずれも自費
- 逆に、原因が何であれ、勃起不全による男性不妊の治療として要件を満たせば保険の対象になり得る
「糖尿病があるから保険で出してもらえるはず」と考えて受診すると、想定と違う結果になることがあります。糖尿病とEDの関係については糖尿病でEDになるのはなぜ?原因・仕組みと改善・予防法で詳しく解説しています。
例外:保険が使えるのは「勃起不全による男性不妊」のみ
2022年4月の不妊治療の保険適用拡大にともない、ED治療薬が保険で処方できるケースが設けられました。対象となるのは、勃起不全が原因で妊娠が成立しにくいカップルが、一般不妊治療のタイミング法を行う場合です。
タイミング法とは、女性の生理周期に合わせて排卵日付近に性行為を行い、妊娠の可能性を高める不妊治療の方法です。この過程で勃起不全が障害になっている場合に限り、ED治療薬が保険診療の対象になります。
逆に言えば、次のような目的はすべて自費です。
・勃起機能そのものを改善したい
・パートナーとの性生活の満足度を上げたい
・自信を取り戻したい
保険適用となる7つの要件
保険で処方を受けるには、次の要件をすべて満たす必要があります。ひとつでも欠けると自費です。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 医師の要件 | 泌尿器科で5年以上の経験がある医師が処方する(近隣に該当医師がいない等の場合は例外規定あり) |
| ② 情報共有 | 他院で不妊治療を受けている場合、紹介を受け、必要な情報を共有できる体制があること |
| ③ 診断 | 関連学会のED診療ガイドラインの診断アルゴリズムに従い、勃起不全と診断され、その旨が診療録に記載されること |
| ④ 不妊治療歴 | 本人またはパートナーが、投与日から遡って6か月以内に一般不妊治療管理料または生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること |
| ⑤ 処方量 | 1回の診療につき、タイミング法の1周期分に限り4錠以下 |
| ⑥ 継続期間 | 6か月が目安。超える場合は医師が必要性を再検討し理由を記載。原則として初回投与から1年以内 |
| ⑦ 処方箋の記載 | 処方箋の備考欄に保険診療である旨を記載すること |
1回に4錠まで、期間は6か月が目安という点は、実際の使い勝手に直結します。保険が使えたとしても、必要なときに必要な分だけ受け取れるとは限りません。
保険適用の対象となるED治療薬
保険の対象となるのは、次の3つに限られます。ジェネリック医薬品は対象外です。
| 薬品名 | 規格 | 成分名 | 薬価(1錠・1枚あたり) |
|---|---|---|---|
| バイアグラ錠 | 25mg/50mg | シルデナフィルクエン酸塩 | 684.2円/927.4円 |
| バイアグラODフィルム | 25mg/50mg | シルデナフィルクエン酸塩 | 974.6円/1,404.1円 |
| シアリス錠 | 5mg/10mg/20mg | タダラフィル | 1,078.3円/1,164.6円/1,288.9円 |
ここで見落とされがちなのが、保険が使えても3割負担なら1錠あたり200〜400円程度の薬剤費がかかり、そこに診察料などが上乗せされるという点です。1回4錠までという制限もあるため、「保険が使えれば劇的に安くなる」とは限りません。
それぞれの薬の効き方の違いについては、DMMのバイアグラは何種類?1錠あたりの用量・料金・注意点で用量ごとに整理しています。
自分は保険が使える?かんたん判定
次のすべてに当てはまる場合のみ、保険適用の可能性があります。
□ 妊活中で、勃起不全が妊娠の障害になっている
□ 本人またはパートナーが6か月以内に不妊治療の医学的管理を受けている
□ 泌尿器科で5年以上の経験がある医師の診察を受けられる
□ ガイドラインに基づくED診断(問診・血液検査等)を受けられる
□ 処方は1回4錠以下、期間6か月程度で問題ない
ひとつでも外れる場合は、自費診療での治療を前提に考えるのが現実的です。
なお、不妊治療を装って保険診療を受けることは不適切な保険請求にあたり、医療費の返還を求められるなどの不利益が生じる可能性があります。目的は正直に伝えてください。
保険が使えない場合に費用を抑える3つの方法
自費でも、選び方次第で負担は変わります。
① ジェネリック医薬品を選ぶ
先発品より価格が抑えられているのが後発医薬品(ジェネリック)です。有効成分は同じで、効果・安全性は先発品と同等とされています。バイアグラに対するシルデナフィル、シアリスに対するタダラフィルがこれにあたります。先発品と後発品の違いはバイアグラとシルデナフィルの違いは?ジェネリックでも問題ない理由で整理しています。
② 診察料のかからないオンライン診療を利用する
自由診療では診察料も医療機関ごとに異なり、初診・再診とも無料としているところもあります。通院の交通費や待ち時間も含めて考えると、差は小さくありません。オンライン診療であれば自宅から受診でき、薬も配送で受け取れます。
実際の使い勝手や注意点はDMMオンラインクリニックのED治療の口コミ・評判に、薬別・プラン別の費用はDMMオンラインクリニックのED治療の料金まとめにまとめています。
③ まとめ買い・定期便を使う
1錠あたりの単価は、まとめて購入するほど下がる料金設定が一般的です。使用頻度がある程度決まっているなら、都度購入より負担を抑えやすくなります。具体的な下げ方はDMMオンラインクリニックのED治療を安く買う方法で比較しています。
個人輸入は「安い方法」に含めないでください。
海外の通販サイトなどで個人輸入されるED治療薬には偽造品が多く流通しており、有効成分が入っていない、逆に過量に含まれている、不純物が混入しているといった健康被害が報告されています。国内未承認の医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。必ず医師の診察を受けたうえで処方を受けてください。
自費でも医療費控除の対象になる場合がある
意外と知られていませんが、自由診療の費用でも医療費控除の対象になり得ます。
医療費控除は「保険が使えたかどうか」ではなく、「医師による診療・治療として必要な費用と認められるか」で判断されます。ED治療が治療として行われている場合は、対象になる可能性があります。一方、治療ではなく健康増進や性的パフォーマンスの向上のみを目的とする費用は対象外とされる場合があります。
領収書は保管しておき、具体的な取り扱いは税務署または税理士にご確認ください。
生活習慣病の治療は保険、ED治療は自費
EDは、糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病や動脈硬化と関わりが深く、「血管の健康のサイン」ともいわれます。
ここで整理しておきたいのが、費用の線引きです。
- 糖尿病や高血圧そのものの検査・治療 → 保険診療
- EDに対するED治療薬の処方 → 自由診療
つまり、背景にある生活習慣病の管理は保険で受けられます。EDという症状が続く場合、それ自体への対処と並行して、血糖値や血圧、脂質の状態を確認しておくことには意味があります。EDをきっかけに背景の疾患が見つかることもあるためです。
それぞれの関係については、糖尿病でEDになるのはなぜ?原因・仕組みと改善・予防法と高血圧でEDになるのはなぜ?降圧薬の影響とED治療薬を使えるかで詳しく解説しています。とくに降圧薬を服用中の方は、薬の種類によってEDへの影響が異なるため確認しておくことをおすすめします。
よくある質問
Q. EDが保険適用外になるのはなぜですか?
A. ED治療薬が「勃起不全を治癒する薬ではなく、日常生活の質を改善するための薬剤」と位置づけられ、公的医療保険の給付対象外とされているためです。この判断は1999年に示され、現在も基本的に引き継がれています。
Q. 糖尿病が原因のEDでも保険は使えませんか?
A. 原因が糖尿病であることだけでは保険適用になりません。勃起不全による男性不妊の治療として、7つの要件をすべて満たす場合に限られます。ただし糖尿病そのものの治療は保険診療の対象です。
Q. 泌尿器科なら保険で処方してもらえますか?
A. 診療科だけでは決まりません。泌尿器科であっても、不妊治療を目的とし要件をすべて満たす場合に限り保険適用となります。それ以外は自由診療です。
Q. ジェネリックは保険適用になりますか?
A. 保険適用の対象はバイアグラ錠、バイアグラODフィルム、シアリス錠に限られており、ジェネリック医薬品は対象外です。ただし自由診療では、ジェネリックのほうが費用を抑えやすくなります。
Q. 保険が使えると、どのくらい安くなりますか?
A. 薬剤費は3割負担であれば公定価格の3割ですが、これに診察料や調剤料などが加わります。また1回の処方は4錠まで、期間は6か月が目安という制限があります。要件を満たさない場合は、自由診療で費用を抑える方法を検討するほうが現実的です。
Q. 保険診療を受けると家族に知られますか?
A. 保険診療では、加入している健康保険の保険者から「医療費のお知らせ」が送付され、受診した年月・医療機関名・医療費の額などが記載される場合があります。記載項目や発行方法は保険者により異なります。
まとめ
- ED治療は原則として保険適用外で、費用は全額自己負担
- 理由は「生活の質を改善する薬」という位置づけ、保険財政への影響、国際的な扱いの3点
- EDの原因が糖尿病でも手術後でも、それだけでは保険適用にならない
- 例外は「勃起不全による男性不妊」で、7つの要件をすべて満たす場合のみ
- 対象薬はバイアグラ錠・バイアグラODフィルム・シアリス錠の3つ。ジェネリックは対象外
- 自費でも、ジェネリック・診察料無料のオンライン診療・まとめ買いで負担は抑えられる
- 個人輸入は偽造品のリスクがあり、救済制度の対象外。必ず医師の診察を受けること
保険が使えるかどうかだけで判断を止めてしまうと、対処のタイミングを逃すことがあります。EDは背景に生活習慣病が隠れていることもあるため、続く場合は一度相談してみてください。ED治療薬の選び方から始めたい方はDMMオンラインクリニックのED治療の口コミ・評判もあわせてご覧ください。
参考文献
- 厚生労働省「不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて」https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6607&dataType=1&pageNo=1
- 厚生労働省「不妊治療の保険適用について」https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000929827.pdf
- 厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html
- 日本性機能学会・日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン」https://www.jssm.info/guideline/
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度」https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0001.html
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「偽造医薬品に関する情報」https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/counterfeit-medicines/0002.html